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みどりねこ日記

よくわからないけど、頑張りますよ。

宮島のケチなおばあさんの損失

日記

広島の宮島にある厳島神社をご存知だろうか。

1400年も昔に創建され、平家も信仰したという由緒正しい神社で景観もすばらしく、日本三景のひとつであり世界文化遺産でもある。

私は広島出身で、 それも宮島に程よく近い中学高校に通っていたので、放課後や土日によく行っていた。

神社付近を気分よく散策していると、いかにも見晴らしの良さそうな起伏がある。 道もあるので登って行くと、決まって気分の害される濁声で呼び止められるのだ。

「お兄さん、ちょっとちょっと、ここは通りぬけ禁止だよ、

もし行きたいならうちでお茶飲んで行かないと。

なにせうちは天皇陛下も休憩された場所だからね」

最低である。

美しい景観で癒されようと宮島に来たのにこの仕打ち。許すまじ。

高校まではただひたすらこのおばあさんにうんざりしていたが、 この春ふと思い立ってこのおばあさんの喫茶店に行ってみた。

抹茶一杯、700円。

もみじ饅頭、300円。

お、おう。

強気だなばあさん。

景色は確かに美しかった。

瀬戸内海を一望できる広い視界の中に赤い鳥居が映える。

しばらくぼうっともみじ饅頭を食べながら休憩していると、

おばあさんが広場の正面にある道を行ったり来たりして道に入ってくる人を監視しているのが見える。

これがまた風情ない。

いちいち通行人に

「通りぬけ禁止だよ!通り抜け禁止だよ!」

と言いに行ってて、せっかくニコニコしながらこちらに来ようとしていた数多の観光客を明らかに気分を害した顔にして帰らせてる。

見ていて当然気分のいいものではない。

ちなみにいうと僕と友人が30分休憩している間に来た客は皆無。追い返した客は何人かいたけれど。

だがおばあさんの気持ちも分かる。

このおばあさんはおそらく自身の財産であるこの景観を、

金も払わない客に見せたくないのだろう。

そしてそう思うあまり通り抜けが許せない。

宮島に来るひとは風流を求めてやってくる人が多く、また宮島には他にも美しい場所がたくさんある。

そんな中で、通行料にここまでしつこくこだわるとするおばあさんに金を払いたいと思う人が何人いるだろうか。

通行人が景観に感動しているそばに静かに喫茶店を構えていたほうがよっぽど人気が出るだろう。

あのおばあさんは商売をもう一度見つめなおしたほうがいい。