みどりねこ日記

よくわからないけど、頑張りますよ。

未踏事業に出した提案が不採択となったので資料を公開します

追記(2018/3/18)

IPFSというプロジェクトが私たちのしたいことを実現しているように見えました。

ipfs.io


大学院時代の友人である森下くんと一緒に未踏事業に出した提案が不採択となりました。 私は今年25歳になり、来年以降は未踏事業の年齢制限に引っかかってしまうため、今回が未踏クリエータになる最後の機会でした。 そして残念ながらそれを活かすことができませんでした。

申請書、二次審査の発表資料及びPMからいただいた不採択理由を公開します。 不採択とはなりましたが、以下に公開する資料が今後未踏事業への提案を考えている方の参考になれば幸いです。 ちなみに形式は年によって結構異なるようです。あくまで参考にどうぞ。

一次審査

drive.google.com

二次審査

drive.google.com

不採択理由(PMのコメント)

技術的に特に新しいところや難しいところはなく、むしろ広くユーザを獲得して大きなトレンドにすることに一番の課題があるように思われました。つまり、この種のプロジェクトの最大の課題はユーザのインセンティブの確保の戦略です。これが現時点では、ブラウザプラグインという(ひょっとして気がつかないうちに実装されている)仕掛けのみだと思われました。それでも、ネットワーク帯域幅とディスク容量を食われるので、P2Pの好きな人でも、アーカイブというテーマでは導入を逡巡すると思われます。 むしろ、The Internet Archiveのようなものを非集中・分散で構築できるソフトウェアを開発して、有志なり大学なりがサーバ上で運営する、というシナリオならよかったかもしれません。 それよりもすべてのPMが感じた不安が、就職したばかりで必要な時間が本当に取れるのだろうかということでした。提案のときには、就職先と事前のネゴはしっかりしておいてほしかったですね。

スケジュール

申請書の締め切り(一次審査)は3/3でした。

一次審査の通過及び二次審査に関する連絡が来たのは4/3です。

二次審査は4/16に行われ、不採択通知が来たのは5/28でした。

ちなみに一次審査の倍率は3.3倍だったそうです。

所感

未踏事業には憧れがあったので、不採択となったことは本当に残念です。

提案したプロジェクトに関してPMから貴重な意見をいただきましたが、前半部分に関してはおっしゃる通りで、もっと良い方法もあっただろうと考えています。 しかし後半の「サーバで運用」という話に関しては、あまり同意できません。 もちろんサーバを補助的に使っていくというのは考えておりましたが、大学機関などのサーバに頼ることを前提にしたアーキテクチャでは我々の解決したい問題の根本的な部分は解決しません。 そういった面で我々のしたいこととは方向性が異なると感じています。

私はインターネットの利用者がPure Peer-to-Peerでアーカイブ及びCDNを行い、 互いのために少しずつ負担を負うことに意味があると思っているし、 面白いと思っているので、また別の機会にいつか実装するかもしれません。

私も森下くんも今年から社会人であり、 またどちらも4/16の二次審査の段階で所属する会社と兼業について交渉中であったことは大きな敗因だと考えています。 しかしやれることはやっていたので、これ以上どうしようもなかったと思っています。

森下くんは本当によく頑張ってくれました。ありがとう。

ただやはり悔しいですね。

謝辞

ご協力いただいた方々にお礼を申し上げます。

特にXcoo, Inc.の西村さん、青木さん、 及びUhuru Technical Rockstarsの部谷さんに感謝します。 過去に採択された際の申請書を送っていただいたり、貴重なアドバイスをいただきました。

応援していただいた、所属する会社の上司及び同僚に感謝します。

全然関係ないけど

Xcoo, Inc.は人材募集中です。

追記

未踏アドバンスド事業があるので「今回が未踏クリエータになる最後の機会でした」という書き方は不正確ではないかという旨のコメントをいくつか頂いたのでご回答させていただきます。

このことについては認識はしておりましたものの、未踏アドバンスドは技術より事業化を目的とされているように見受けられました。 事業化は大事なステップであることは理解しているつもりですが、収益は見込めなくても人々の生活を変えられるようなプロジェクトもサポートしてくれる未踏事業に対して憧れがあったためにこのように書いていました。

未踏クリエータについて読者に誤解を招くような書き方をしてしまいましたことをお詫びいたします。